リーダーに求めること

決断力

リーダーに求める「決断力」とは、「タイミング良く、必要な決断を下し、メンバーに明確に指示をする。他の選択肢を捨てることを厭わず、自らの決断に責任を取る覚悟ができる素養」のことを指します。 リーダーの仕事は、チームメンバーのリソースを有効活用してパフォーマンスの最大化を図ることです。そのため、リーダーはメンバーに「やるべきこと」「やらなくていいこと」を明確にし、メンバー各自が自分のやるべきことをきちんと理解し、その遂行に集中して全力を注ぎこめる環境を作らなければなりません。そのためには、リーダー自身が決断し、チームとしてどこに向かうか、何をするかを決めていく必要があります。 決断とは、決めることです。一度決めたら、チームメンバーたちはあなたの指示通りに動きます。決めたことは訂正できません。訂正することとは、それまでにかかった時間やコストを無駄にするということ。だからこそ、決めたことは変えるべきではないですし、選択を間違えないように決断しなければならないのです。チームメンバーに目的達成につながらない無駄なことをさせることは、チームメンバーからの信頼を失う行為です。チームメンバーの頑張りが報われるように決めていくことが、リーダーには求められます。一方で、このまま進めていくことで組織により大きな損失を与えることが分かっていた場合は、やめる決断も必要です。これまでのチームメンバーたちの頑張りを無駄にし、チームメンバーから信頼を失っても、組織にとって最善の選択をしなければならないのもリーダーの役割です。

戦略策定力

「戦略策定力」とは、「ビジョンに向かう戦略を策定すること。メンバーに方針を示し、組織の向かう方向を明らかにする。戦略を具体化させて、実行の責任を負う素養」のことを指します。 リーダーは、チームメンバーが進むべき道を示さなければなりません。戦略とは、掲げられた目標を達成するための道のりを考えることです。目標を達成するためには、いつまでに何をしなければならないかを考えていく逆算思考が求められます。ここで大切なのは、実現可能な道のりを考えるということ。実現できない道のりには意味がありませんし、実現できそうとチームメンバーに思ってもらうことが、みんなの心をまとめることに繋がっていくからです。 今、プラージュは、会社経営においても一緒に戦略を考えてくれる幹部を求めています。

目標達成志向

「目標達成志向」とは、「目標の達成にこだわり、あきらめずに可能性を追求し、あらゆる手段を尽くすこと。何事も実行を重視し、反対や困難があってもひるまず目標に向かって行動できる素養」のことを指します。 リーダーにはチームの目標達成にこだわった欲しいと思います。ただ、ここで誤解して欲しくないのは、チームの目標を達成することがリーダーの役割ではないということです。ここを間違えてしまうと、リーダー自身が売上の多くの構成要素を稼ぎ出すといったことになりかねません。リーダーはチームのパフォーマンスの最大化を図ることが役割です。ここにはメンバーの育成が含まれています。つまり、チームメンバーを育ててチーム全体のパフォーマンスを上げていく必要があるということです。 チームメンバーにストレッチ目標を設定し、自分たちの力で達成をさせる。その成功体験を与えることで、自信を持たせていくことが大切です。つまり、目標を達成しなければ、チームメンバーは育成できません。では、いかにして達成させていくのか。「戦略策定力」と大きくリンクするのですが、1人ひとりの実力と長所を鑑みて考えてなければならないでしょう。これがリーダーに求める「目標達成力」です。チームメンバーに対して目標を達成するための圧をかけるだけとは違います。

動機付けスキル

「動機付けスキル」とは、「チームの目標達成のために、周囲に仕事の目的や意味を伝え、熱意を持って動機づけをすること。チームの活性化を促進し、モチベーションの下がっているメンバーを適宜フォローできる素養」のことを指します。 リーダーに求める「動機付けスキル」はチームメンバーの「主体的行動」に大きく影響してくるものです。リーダーはメンバーに指示を出すものですが、最終的に目指すべきチームの姿は、チームメンバーが自ら考え、チームのために自主的に動いていくこと。そのためには、なぜこの仕事をやるのかという動機付けが大切です。 動機付けは、マニュアルを作って画一的にできるものではありません。なぜなら、人間は一人ひとり価値観が異なるからです。例えば、「仕事を通じて自分を成長させたい」と考えているAさんと、「安定的な暮らしを実現したい」と考えているBさんがいるとします。どちらも正しいです。どんな価値観を持つかは個人の自由ですから。Aさんに対して、「この仕事を行なうことで君は出来ない事が1つ増える。これは成長に繋がる選択になるだろう」というコミュニケーションは動機付けになります。しかし、Bさんに同じことを言っても通じないでしょう。Bさんには、 「この仕事を通じて得られるスキルは、今後、市場で重宝されるスキルだから君の市場価値を上げることになる。そうすれば、転職することになっても高い給与が保証されるだろう」といったコミュニケーションでなければ、心を動かすことはできないと思います。 事実は1つしかありません。しかし、解釈は無数にあります。動機付けは、会社の都合と個人の価値観が重なり合った解釈をリーダーがいかに探し出して、チームメンバーの仕事のモチベーションに繋がていくかがポイントです。チームメンバー1人ひとりのことを理解するために、そしてチームメンバー1人ひとりが納得して仕事に向けるように、環境を整えることもリーダーには求められます。

ルール遵守

「ルール遵守」とは、「ルール、約束、期限を守る。決まり事を意識し、決められたことを着実に行なうこと。引き受けた仕事は最後までやり抜く素養」のことを指しています。 端的に言えば、約束をきちんと守るということです。プロとして当たり前のことなのですが、リーダーはチームメンバーの「お手本」でもあります。身近な人がどのような姿勢で仕事に臨んでいるかが見えることは、それだけで教えていることにもなりますし、いい意味でプレッシャーも与えています。 仕事において「信頼される」。リーダーはそこに加えて「尊敬される」ことも求められます。なぜ私たちは、スポーツの試合に感動するのか。それは決められたルールのもとで、お互いが正々堂々と競い合うからです。フェアな環境で互いのすべてを出し切って争い、試合が終わった時は、勝者も敗者も関係なく、お互いを讃え合う。その崇高とも言える精神に私たちは感動するのではないでしょうか。仕事においても同じです。結果だけを追い求めるのではなく、プロセスにおいてもルールを守る。そしてきちんと成果を出す。かっこいいとはこういうことではないでしょうか。 何度も言いますが、リーダーはチームメンバーのお手本となるべきポジションです。同時に、私たちが求める「かっこいい」の体現者とも言えるでしょう。己に恥じない仕事を心がけてください。

変革力

「変革力」とは、「これまでの慣習や前例にとらわれない新たな取り組みを行なうこと。現状への危機意識を持ち、反対勢力に屈せずに常に新しいことを試行し、実績につなげる素養」のことを指します。 「VUCAの時代」という言葉があります。Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をつなぎ合わせた言葉であり、これら4つの要因により、現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉です。つまり、今、世界は何がどう変わっていくのか、予測するのが難しい時代を迎えています。 今の時代、これまでと同じ仕事をやりつづける、同じところに立ち止まりつづけるということは、大きなリスクです。挑戦し変化しつづけていくことで「できること」を増やしていくことは、会社が将来にわたって継続していくために欠かせない「保険」になります。 私たちは、今、変わっていかなければならないタイミングを迎えています。変化を受け入れ、自らの新しい力にしていく。リーダーをお任せする人たちには、その体現者になってもらいたいと期待しています。